第一幕 ラムネ


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ラムネというのはレモネードが訛った言葉だと聞く。

レモネードはレモン+エードであるから、 レモンの果汁に甘味をつけて冷水で割ったものだ。アメリカのドラマや映画で、よく女の子が家の前の屋台で売って小遣い稼ぎしているあれだ。

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エードというのは果汁に甘味を加えて水で薄めたものなので、 いわゆる多くの果汁入り清涼飲料水はエードであって、 ジュースではないのだが、慣用的に誰もがジュースと呼んでいる。 法的には(JASの定義では)果汁100%がジュースだ。

 

だから、実はレモネードに炭酸は入っている必要はない。

 

ラムネの起源についてはトンボ飲料という会社のサイトに詳しい

http://www.tombow-b.jp/ramune/

ラムネの原型となるレモネードが日本に伝わったのは、1853年 (嘉永6年)のこと。 米国からあのペリー提督が浦賀に来航した際、 艦上で交渉役の江戸幕府の役人たちにレモネードを振る舞ったのが 最初と言われています。

当時は、まだビー玉の栓ではなく、コルク栓で、 開ける時にポンッと大きな音がして、 周りにいた武士が驚いて刀に手をかけたとか…

ということは、 その時点で炭酸は入っていたということか…

実はサイダーとラムネの違いは今や容器の違いでしかないという。

サイダーはフランス語のリンゴ酒という意味の「シードル」 が英語読みになったものと考えられています。

黒船と共に来日したのか。

普及した当初は、ラムネはレモン風味、 サイダーはリンゴ風味だったというが…

 

では、なぜ炭酸が入ったか?

おそらく、

レモン果汁などクエン酸が含まれる液に、重曹(炭酸水素ナトリウ ム)を加えると炭酸ガスが発生するのは昔ながらある手法なので、 そこからくるのであろう。

 

では、ラムネのせいで、ソーダ味が定義されたのか?いや、 どうも世間のソーダ味は、決して、レモン味ではない。

レモン味なら明らかに黄色く着色されてレモン色になるのではないか?

キリンレモンにはレモンは入っていない(キリンも入っていない。かっぱえびせんには河童は入ってないが海老は使われている) 。

 

ソーダ色はラムネによるものなのか? 確かにラムネの瓶は青緑色をしているが、 液体そのものは無色透明である。

 

ラムネの瓶は、何故にあの色なのか?

 

ビー玉栓のビンは、もともとはイギリスで発明されたもので、1872年にイギリス、1873年にはアメリカで特許が取られ、 日本に登場したのは1887年(明治20年)頃のこと。

コッドビン…イギリス製のビー玉ビン。 発明者の名前から命名されました。日本では大阪の徳永玉吉( 徳永硝子の創業者)氏が日本で最初に完成させて、“ラムネ瓶” として量産を開始、全国的なラムネの普及に貢献しました。

 

歴史は分かるが色がどうして出来るか書かれていない。

 

一般に使われているガラスは、ソーダ石灰ガラスと言われる種類で(おそらく、「ソーダ色」は、このガラスの種別には由来してないであろう)、 板厚が薄いと透明であるが、厚いと薄い青緑色に見えるという。 昔ながらのラムネ瓶のガラスは厚い。青緑色は、主に、不純物の酸化鉄によるものだという。 意図的にコバルトや酸化銅を加えて青や緑を濃くする場合もあるらしい。

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今となっては、ビー玉で栓をするガラス製の瓶は絶滅寸前で、 モノによっては骨董品、アンティークとして取引されているものまであるという。

ペットボトルになっても、ビー玉で栓しないと、 正式にはそれはサイダーなのだそうだ。

また、法律によりラムネは中小企業しか作れないため、大企業のものはサイダーとなる。

 

諸行無常を感じる話であるが…どうやらソーダ味やソーダ色のクロ (緑茶くらいに変な表現だ)である可能性は低そうだ。 彼が真犯人ならば、おそらく、ラムネ色、 ラムネ味という単語がメジャーになったはずだ。

 

余談だが(もっとも、私の話は全部余談だが)、ラムネ味のお菓子はあるが、 初めの頃はクエン酸重曹の粉を混ぜて、 口の中で溶けると炭酸のシュワシュワ感が出るようにしていたかららしい。


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そうだ村村長殺人事件

そうだ~村の村長さんが ソーダー飲んで~死んだ~そうだ~ 葬式饅頭大きいそうだ♪

 

ホントは、もっと長い歌詞のある童謡が元ネタだそうだ。 元唄では村長さんは死んでないらしいが、 私の記憶の中では亡くなっていて、 葬式饅頭が旨かったことになっている。果たしてソーダ饅頭(炭酸饅頭)だったのであろか?

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炭酸饅頭は、炭酸煎餅と並んで、温泉地などにあるローカル銘菓である。 緑に着色されている製品もあるが、 決して例のソーダ色はしていないし、ソーダ味もしていない。

 

ここで考察したいのは、ソーダ色とソーダ味についてなのだが、

その前に、まず、なぜに炭酸がソーダなのか?である。

 

「炭酸」と言えばCO2、炭酸ガス二酸化炭素である。

ソーダ」というのは、 語源的にはナトリウムの英語ソディウムに由来するらしい。

先の銘菓の材料として使われるのは「重曹」 またの名を重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムである。「曹」 はナトリウムつまりソーダを表す「曹達」から来ている。「重」 でない曹達は炭酸ナトリウムだ。

 

これについては川口液化ケミカルという会社のサイトに詳しい。

そもそも語源の「ソーダ」は、 英語とドイツ語から由来した呼び名が両方とも使われていることからきているようで、Naの正式な元素名「 ナトリウム(natrium)」はドイツ語。これが英語になると「ソディウム(sodium)」 となり、単体のナトリウムが何かと結合して「ナトリウム化合物」になると、英語で「 ソーダ(soda)」と言うんですね。.

ナトリウム化合物の中で、 炭酸ナトリウムが工業界の代表的であったため、ソーダと言えば炭酸ナトリウムという印象が強くなり、 ナトリウムとソーダどちらも同じように使われ、「ソーダ灰」「精製ソーダ」「洗濯ソーダ」 と呼ばれているのは、どれも炭酸ナトリウムなのです。それを昔はソーダに「曹達」 という漢字を当てました。.

そこから、昔々に炭酸水を作るのに重曹を使われており、 レモン水のように酸性の水に重曹を溶かして、 酸性の水に含まれるクエン酸と反応させて二酸化炭素を発生させました。そこから重曹「重炭酸曹達」を溶かして作ったことから、 炭酸水は「ソーダ」と名付けられ、 そこに甘味料を加えた清涼飲料水が同じ名前になったようです。.

 

そうだ。そもそも、ソーダは「炭酸」のことでなく「ナトリウム」 のことだったのだ。

 

普段の生活で親しいナトリウムと言えば、重曹と食塩だが、 どちらも白い粉だし、 そこからソーダ色もソーダ味も出てきそうにない。

 

この点については、何人か重要参考人が捜査線に浮かび上がっている

・ラムネ

三ツ矢サイダー

・クリームソーダ

ガリガリ君

・ブルーハワイ

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ミント味のアイスやマウスウォッシュが青いのも怪しいが、 それはソーダとは関係なさそうだ。

そうだ村の村長さんはホントは生きているらしいので、 そちらの調査については、誤報として中断するが、件の歌の詩の中に

そんちょうさんがのんだソーダ

クリームソーダソーダだそうだ

おかわり十かいしたそうだ

うみのいろしたクリームソーダ

なかでおよげばなおうまそうだ

というくだりがあるので、クリームソーダが怪しそうだ。

前半、指揮者の方の挨拶が長いけど、本格的な合唱による『そうだ村の村長さん』

参考人の聴取については、また機会を改める。
 
 

何をどうすればステーキなのだ?

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ステーキが一般的になったのは、いつ頃からだろうか?

私が幼い頃は、ステーキ(いや、当時は「ビフテキ」と言ったか? )は、ごくたまに、 百貨店の最上階のレストランに行ったときにありつけるかどうかの名前は知っているが幻の料理だったように思う。

 

厚手の豚肉を焼いたのを「トンテキ」と称したり、 厚切りのハムを焼いて「ハムステーキ」と呼んだり(なによりパックのスライスハムでない時点で贅沢だった。まぁそもそも、 ハムはモモ肉の塊を塩漬けしたり燻製したりしたものだから肉の塊だ)、いつもより、高級な感じになるかと「ハンバーグステーキ」 と呼んでみたり(単なる略語なので同じものです)したが、「ビフテキ」は幻であった。f:id:mucci:20180907165851j:image

なお、トンテキとトンカツとポークカツレツは別の料理だ。f:id:mucci:20180907165906j:image

そうだ、町にステーキハウス、いや、ビッグボーイが出来た時だ。 ステーキが身近になったのは!

ビッグボーイの例の看板息子の彼、名前をボビーと言うらしいが、 今のご時世なら、完全にメタボな肥満児である。まぁ、 ビッグなボーイだから止むを得ないところであるが、なんとなく、 グルメレポーターの彦摩呂さんに似ている。

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近所の中華屋とか洋食屋に行くのとは違う心意気でステーキハウス に向かう我が家族。

そこで、父から「ライスはフォークの背中に乗せて食べるんだぞ」f:id:mucci:20180907164903j:image
と教わったが、どうやら、今や、それがマナーだというのは都市伝説かガセらしい。が、当時は、 全然うまく乗せられんじゃないかとイライラしながら食べた記憶がある。

 

一通り食べ終わった頃に、父が一度ならず、毎回、 レストランに行く度に言うのだ。

「困ったなぁ。財布、家に忘れてきたわ。 誰か人質に置いて財布取りに帰らんと」

そのお約束のボケがヒド過ぎるため、トラウマになったのか、 今でもファミレスに行くのが苦手だ。以前は、 家族持ちでもないにファミリーレストランってのもなぁと二の足を踏んでいたのだが、昨今は、カウンターぼっち席もある店がほとんどなので、 なんとか入店出来る。

 

Wikipediaによると

肉のスライスなどを焼いた料理。フランス語の呼び名である「bi fteck(ビフテック)」を語源とした「ビフテキ」 という名称の流行がかつてあったことから、「ビフテキ」 をビーフステーキの略称と考えて「トン(豚)テキ」 などといった応用的な命名が為された時代もあった。

 

日本ハムのサイトに、

ビフテキ」は「ビーフステーキ」 じゃない?!素敵なステーキがもたらす幸せ

という記事がある。(聞こえない…聞こえない…)

多くの人は「『ビフテキ』は『ビーフステーキ』の略」 だと思っているだろうが、実は「bifteck(ビフテック)」 という「ステーキ」 を意味するフランス語が語源という説が有力だ。 メニューとしては「ビーフのステーキ」なので、 そう思い込むのももっともなことかもしれないが・・・。

 

つまり、基本的に、「厚切り牛肉を焼いたもの」だが、 必ずしもそうではないのである。

今、思いつくだけでも…大根とか、コンニャクとか、筍とか、 アワビとか…

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サーモンなど、ステーキとか、ソテーとか、ムニエルとか、 ポワレとか…グリルとかローストとか。まぁ、 それは調理法だから、まだ分かりやすいか。 これについては別途検証したい

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タルタルステーキなんか、最早、ユッケなんじゃないか?

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英語版のWikipediaでsteakのEtymology(語源)の項目を見ると

The word steak originates from the mid-15th century Scandinavian word steik, or stickna' in the Middle English dialect, along with the Old Norse word steikja.

中世のスウェーデン語や旧い古英語の単語に由来するのは分かるがだから何なのだ。

 

結局、なんだか分からんが、なにやら厚手の主に肉を鉄板とかフライパンで焼けばステーキなんだろう。

 

「素敵な…」 という実の父のギャグがチラチラしてクラクラする。
 
 

海は青いか?

う~み~は~おおな~み~ あおい~な~み~

ゆ~れ~て どこま~で つづく~や~ら~♪

 

「なんで水は透明なのに水色ってあるの?」

「 海はどうして青いの?」

という問いを幼い頃に発した記憶は誰にでもあるはずだ。

 

曰く

「透明じゃ絵に描けないでしょ」

「空の青が写ってるからだよ」

「ブルーハワイの色だよ」

???説明になっていない。

 

実は、水そのものは淡い水色(青緑色)をしているらしい。 見た目わからないけど。

「水色」というのは、平安時代、いや、 万葉集の時代からある言葉らしい。 昔の日本人の目には水の淡い青が分かっていたのだろうか?

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空の青が写ってるにしては、天気が少し悪くても、 朝でも夕方でも海は青い。 南国のサンゴ礁のあるような海は別に珊瑚や砂が青いわけではない 。

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むしろ、珊瑚色というのは「コーラル」 であるから淡いピンクの明るいベージュに近い。f:id:mucci:20180906161825j:image

空よりも高い宇宙から、人類初の宇宙飛行をしたソ連のユーリイ・ ガガーリンさんは「地球は青かった」と言ったと聞く(最近の研究 では「薄暗くて青みがかっている」 程度の表現だったと言われている)。

 

物の色というのは、

・物の表面で特定の波長の光「色」が吸収され、 残りが反射したもの

・物の中で特定の波長の光が吸収され、残りが透過したもの

・物の中や表面で特定の波長の光が散乱されたもの

で見え方が変わる。

 

海の水は、化学的にはH2O、つまり一酸化二水素DHMO"dihydrogen monoxide"だ。(この単語は よくジョークで使われる)

この水分子には青以外の色を吸収する性質があるのだ。(だから、 実際に水は淡い青色をしている)

コップ一杯程度では分かりづらいが、海水くらいの量になると、 太陽光が水面から入射しても、 深くなるにつれて青色しか届かなくなるのだ。ディープブルーだ。 (これについては鮫映画か、 チェスコンピュータのイメージしかない)。BBCの海洋ドキュメ ンタリーかもしれない。あるいは素潜り世界一の… それはグランブルーか。じっちゃんの名のもとに。

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サンゴ礁の青がブルーハワイ色なのは、 水面から入った太陽光が、水深が浅いとはいえ、青以外が吸収され、 それがさらに、浅瀬の海底の白い砂で反射して、また水中を進み、 そのうちさらに光は青くなるかららしい。

ブルーハワイの色と味については別途述べる必要がある。 もっとも、それはカクテルのことではない。

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どうやら、海は本当に青いのだ

 
 
 

青い空、白い雲

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とんぼのめがねは みずいろめがね

あ~おいおそらを とんだから~と〜んだから~♪

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「なんで空は青いの?」

誰もが幼い頃に、 大人にそんな質問をしたであろう。

 

曰く

「昼は明るいから夜の色が薄まるんだよ」

「空だから空色なんだよ」

「さぁ、なんでだろうねぇ」

「なんで?」「ねぇ、なんで?」

 

もしも異星人がいたとして、突然、目隠しされて地球に拉致され、 空を見上げたら、その異様な色に「なんじゃこりゃあ!」 と言うに違いないのだ。

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モノに色があるのは、 電磁波の可視光と呼ばれる波長のものに対して、 人間の視神経や脳が応答して色を認識するからであるらしい。 また、モノに特定の色があるのは、 そのモノが特定の波長の光を吸収したり反射したりするからだ。

 

たとえば、リンゴが赤いのは、リンゴが赤以外の色を吸収して、 赤を反射するからだ。


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では空はどうか?空は反射というより、 空を透過して光が降り注いでいるように思う。あながち「 明るいから夜の色が薄まるんだよ」 というのもハズレではないのではないか?

 

物理学者によると、

太陽光が大気中を通過する際、波長の短い青は、 空気中の塵や水滴などの粒子に当たって散乱しやすいため

と説明されている。 それなら空は紫色になっても良さそうなものであるが、 紫の外は紫外線だから紫より青の方が見えやすいのかもしれない。

ひょっとすると、 人類の目は晴れ間を見つけるために空の色に敏感になっている可能性もある。

 

雲が白いのは、 雲の成分の水滴があらゆる波長の光を散乱させるため白く見えるらしい。

雨が降りそうな雲がネズミ色なのは?

 

チコちゃん(5歳)によると、植物の葉が緑色をしているのは「 葉緑素があるから」ではなくて

「葉っぱは赤と青が好きだから」

だそうだ。

ひょっとすると、太古の昔は、 いろんな色の葉があったのかもしれないが、 地球の空は昼間は青く、朝や夕方は赤い。 その光を積極的に吸収する植物が生き残ったことで、 赤と青以外を反射して緑色に見えるのだ。


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「なんで水は透明なのに水色ってあるの?」それについては、 また長くなるので次回
 
 

刺身のつくり

刺身とは、
主に生魚などを薄く切って、醤油などをつけて食べる料理。
である。

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昨今は食中毒やらなんやらで生の牛肉の提供は控えるというか禁止されているケースが多いので、まぁ、魚だと思ってよい。

だが、確かに、今、ぱっと思い出すだけでも
豆腐の刺身、刺身こんにゃく、筍の刺身、大根の刺身、刺身蒲鉾
など聞いたことがあるが…どれもそれ用の種類の素材だったり、生でなく下ごしらえが必要だったり…

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フグの刺身などは「ふぐ刺し」と呼ぶ方も多いと思われるが、私としては、それではどうも「獲ったど~っ!」な絵面


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を思い浮かべてしまうし、関西出身としては「テッサ」と呼びたい気がする。フグは毒が当たると命を落としかねないので「テッポウ」と呼び、その「テッポウの刺身」だから「テッサ」なのだと聞く。

もっとも、関西人の場合、あまり「お刺身」と言わず「お造り」という人が多いかもしれない。最近は、スーパーとか魚屋さんで手に入るのが「お刺身」で、お店でプロの板前さんが柳刃包丁とか使って作るのが「お造り」だと言う人もいる。

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元々、「切り身」でいいじゃんってのを「切る」のは語感が良くないと江戸っ子が「刺し身」と呼んだものを、関西人が「刺す」のもアカンやろと「お造り」と呼んだと聞く。

スライスされたローストビーフを「刺し身」と呼ぶ人はいないだろう。鰹のたたきはどうだ?鰹の場合は刺身が別にあるから、たたきはたたきか。

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ローストビーフを牛肉のたたきと呼ぶと、なんだか、これはこれで、お店仕様な気分だ。包丁で激しく叩くと、ミンチになってしまって、それに火を入れてはタルタルステーキかハンバーグである。魚のアジを叩くと、なめろうになってしまう。

関西のスーパーの刺身盛り合わせの商品ラベルは「おさしみ」なのか?「おつくり」なのか気になる。

なお、おさしみは「刺身」と「お」抜きでいうが、「お造り」は基本的に「お」付きである。「魚のつくり」では解剖の時間になってしまう。

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サラダの秘密

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わざわざ「野菜サラダ」というからには、サラダ=野菜 というわけではなさそうだ。

なにやら、「塩」を意味するラテン語"sal"に由来するらしい 。塩漬けするという意味の言葉が転じてサラダになったらしい。f:id:mucci:20180904130844j:image

塩漬け?漬物なの?確かに、わざわざ「生野菜サラダ」 と表記されることもある。だが、 漬物の盛り合わせをサラダとは言わない。 温野菜サラダなるメニューもあるが、 なにかしら野菜的なものを盛り付けると「サラダ」 というものになるのかもしれない。

 

幼い頃から親しんではいるけれど、「サラダ油」とか「 サラダ味のスナック」には野菜の雰囲気は微塵も感じない。 近頃は定着しつつある「サラダチキン」もサッパリ分からないが、 サッパリ食べるとサラダなのか? オシャレなカフェごはんとかローカルフードなどで「 サラダうどん」とか「ラーメンサラダ」なるものも謎であるが、 うどんもラーメンもパスタの一種だと思えば、 遠すぎることもないかもしれない。

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幼い頃、「きっとサラダ油というのはサラダに使うやつ(ドレッシングのことを言いたいらしい)で、 てんぷら油と別のものなのだ」と思っていた。

当時の我が家ではサラダにかけるのはマヨネーズの一択で、 特に父と弟は「それは和え物なのか?マリネなのか?」 というほど大量のマヨネーズをかけるので、私と母は辟易していた。 もっとも「マリネ」 なる言葉を知ったのはもう少しのちのことであるし、「マヨラー」 なる言葉が流行ったのはずっとずっと先のことである。

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だが、しばらくして、 母が揚げ物の時に鍋に注いでいるのがサラダ油であることを知る。

今となっては、 マヨネーズとかドレッシングの材料に食用油が使われていることは 知識として持っているし、油をかけて食べるなら、 サラダ油よりもオリーブオイルだな、 と気取ったことをしたりする。

 

日清オイリオのサイトに「サラダ油の語源」がある。

日清オイリオでは大正13年に日本で最初に「日清サラダ油」 という名前でサラダ油を販売しました。

当時日本では、食用油は主に揚げ物等に使っておりましたが、 西洋では、 生野菜に塩や酢を加えた食用油をいわゆるドレッシングのようにし て食べていました。

サラダ油というのは、 こうしたサラダ料理などに使う生でも使用できる食用油という意味 です。生で召し上がっていただくので、 より精製の度合いを高めた良質の食用油のことを特に「サラダ油」 と名づけました。

ちなみに「あぶら」 の語源は獣肉を炙るとでることからきたと言われ、火の上に“ にくづき”を乗せて炙る(あぶる)と言う字になるわけです。

ついでに「あぶら」の語源まで聞いて有難がっているが…は! もしや、「サラダ油」というのは日清による洗脳なのか?

 

英語でsalad oilを検索すると"What is the salad oil?"「サラダ油って書いてるレシピあるけど何?」 というサイトがたくさん引っ掛かる。

"Edible vegetable oil suitable for use in salad dressings."

「ドレッシングに使うのに適している植物性食用油

とある。

 

かなり経緯が明確になってきたのでサラダ油の追究はこのくらいで よいか。

 

サラダうどんや、ラーメンサラダは、 パスタサラダの一種として許そうかと思ったのだけれど、 私のイメージでは、パスタサラダと言えば、マカロニとかペンネフジッリなどのショートパスタで、 スパゲッティーのようなロングパスタのイメージはない。が… 春雨サラダとかサラダそうめんとかやる人もいるしなぁ。 果たしてイタリアンにインスパイアされたのか?日本発祥なのか? 冷やしうどんや冷やし中華とは違うのか?謎は残る。f:id:mucci:20180904131132j:image

旧くから知っているけど謎のままなのは、「サラダ味のスナック」 である。

じゃがりこやらポテチなら、材料がジャガイモなので、 辛うじて野菜サラダなのか?f:id:mucci:20180904131157j:image

カルビーお客様相談室『じゃがりこサラダ』の「サラダ」の意味は何ですか?

じゃがりこサラダ』は、じゃがいもを蒸かしてつぶし、にんじん・パセリを入れて味付けをしたポテトサラダをイメージして作っています。そのため、「サラダ」という商品名にしました。

カルビーのポテトチップスフレンチサラダなんかは、 どことなくビネガーを使ったドレッシングの酸っぱさがあるのだが …それを許容できるのは「サラダせんべい」 による刷り込みの疑いが拭えない。

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ネット検索する限りは「 サラダ油を使って塩味を利かせているから」 という説が有力ではあるのだが…

 

亀田製菓のお客様相談室『「ソフトサラダ」や「サラダうす焼」 の「サラダ」はどんな味を言うのですか?』によると

「サラダ」は「サラダ油」のことです。

「サラダ油」がまだ高価だった1960年代、 サラダ油をからめて塩をまぶしたせんべいが作られました。 その頃の時代の背景として、純日本風の「塩味」 とするよりは洋風の「サラダ味」 とした方がおしゃれではないかということで名付けられました。 それまでのしょうゆ味のせんべいに比べて、 斬新で高級感のあるイメージで人気を呼び、以後、 米菓の定番の味として親しまれています。

補足ですが・・・サラダの語源はサラダ(SALAD) と言う言葉は英語ですが、その語源はラテン語の「SAL=塩」 からきています。その昔、 肉料理に付け合わせる新鮮な野菜に塩をかけて食べていた習慣に由来しているそうです。

また「塩」に戻ってしまった。

 

昨今、急速に台頭しているのが「サラダチキン」である。

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わざわざそんなものを買うなら、安く鶏肉買ってきて、 茹でるなり蒸すなりした方が安上がりだろう?

鶏単独で食べて、何がサラダなんだ?

どう考えても、あれはコンビニの策略ではないか?

いろいろと憶測が果てしない。

 

おそらく、私と同世代の人であれば、サラダ風のチキンと言えば、 バンバンジー棒棒鶏」であろう。誰もが「ぼうぼうどり」 とふざけて読んでいたはずだ。だが、あれは中華だ。

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間違いなくセブンイレブンはじめコンビニ各社の悪乗りのせいなの だが、どうやら胸肉の売れ行きを改善しようとしたメーカー、 アマタケにより開発された製品であるらしい。

サラダチキンが生まれた日

今ではすっかり人気ものになったサラダチキン。 初めてつくったのがアマタケでした。

サラダチキンの原型は、 コンビニやスーパーの惣菜用の具材として開発されたものでした。

単体でお客様に販売する商品となったのは、2001年のことです 。

現在のようなパッケージスタイルになり、名前も公式に「 サラダチキン」としました。

当初は透明パックに販促シールを手貼りして販売していたのですが 、

2004年からフィルム印刷のパッケージを採用し、

「サラダにトッピングするチキン」 というコンセプトを強調した商品に生まれ変わりました。

時代とともにヘルシーな商品が求められるようになり、

むね肉を使ったサラダチキンは「低カロリー高たんぱく質」 な商品であることが注目され、

健康な食材として楽しんでくださっているお客様の声もいただいて おります。

これからも、「南部どりのサラダチキン」は進化し続けます。

もっとヘルシーに!様々なシーンで活躍できる商品に! 育ててまいります。

そうだったのか…サラダチキン。

 

P.S. 

滋賀のローカルグルメで「サラダパン」なるものがある。

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なんでか、 黄色い沢庵漬をマヨネーズで和えたものがコッペパンに挟まれてい る。

なにやら、発売当初はキャベツのマヨ和えのサラダパンだったが、 沢庵漬を入れたら食感が良く、

沢庵も野菜だから、名前はそのままでいいか。

となったらしい。