第一幕 ラムネ


f:id:mucci:20180911114353j:image

ラムネというのはレモネードが訛った言葉だと聞く。

レモネードはレモン+エードであるから、 レモンの果汁に甘味をつけて冷水で割ったものだ。アメリカのドラマや映画で、よく女の子が家の前の屋台で売って小遣い稼ぎしているあれだ。

f:id:mucci:20180911125152j:image

エードというのは果汁に甘味を加えて水で薄めたものなので、 いわゆる多くの果汁入り清涼飲料水はエードであって、 ジュースではないのだが、慣用的に誰もがジュースと呼んでいる。 法的には(JASの定義では)果汁100%がジュースだ。

 

だから、実はレモネードに炭酸は入っている必要はない。

 

ラムネの起源についてはトンボ飲料という会社のサイトに詳しい

http://www.tombow-b.jp/ramune/

ラムネの原型となるレモネードが日本に伝わったのは、1853年 (嘉永6年)のこと。 米国からあのペリー提督が浦賀に来航した際、 艦上で交渉役の江戸幕府の役人たちにレモネードを振る舞ったのが 最初と言われています。

当時は、まだビー玉の栓ではなく、コルク栓で、 開ける時にポンッと大きな音がして、 周りにいた武士が驚いて刀に手をかけたとか…

ということは、 その時点で炭酸は入っていたということか…

実はサイダーとラムネの違いは今や容器の違いでしかないという。

サイダーはフランス語のリンゴ酒という意味の「シードル」 が英語読みになったものと考えられています。

黒船と共に来日したのか。

普及した当初は、ラムネはレモン風味、 サイダーはリンゴ風味だったというが…

 

では、なぜ炭酸が入ったか?

おそらく、

レモン果汁などクエン酸が含まれる液に、重曹(炭酸水素ナトリウ ム)を加えると炭酸ガスが発生するのは昔ながらある手法なので、 そこからくるのであろう。

 

では、ラムネのせいで、ソーダ味が定義されたのか?いや、 どうも世間のソーダ味は、決して、レモン味ではない。

レモン味なら明らかに黄色く着色されてレモン色になるのではないか?

キリンレモンにはレモンは入っていない(キリンも入っていない。かっぱえびせんには河童は入ってないが海老は使われている) 。

 

ソーダ色はラムネによるものなのか? 確かにラムネの瓶は青緑色をしているが、 液体そのものは無色透明である。

 

ラムネの瓶は、何故にあの色なのか?

 

ビー玉栓のビンは、もともとはイギリスで発明されたもので、1872年にイギリス、1873年にはアメリカで特許が取られ、 日本に登場したのは1887年(明治20年)頃のこと。

コッドビン…イギリス製のビー玉ビン。 発明者の名前から命名されました。日本では大阪の徳永玉吉( 徳永硝子の創業者)氏が日本で最初に完成させて、“ラムネ瓶” として量産を開始、全国的なラムネの普及に貢献しました。

 

歴史は分かるが色がどうして出来るか書かれていない。

 

一般に使われているガラスは、ソーダ石灰ガラスと言われる種類で(おそらく、「ソーダ色」は、このガラスの種別には由来してないであろう)、 板厚が薄いと透明であるが、厚いと薄い青緑色に見えるという。 昔ながらのラムネ瓶のガラスは厚い。青緑色は、主に、不純物の酸化鉄によるものだという。 意図的にコバルトや酸化銅を加えて青や緑を濃くする場合もあるらしい。

f:id:mucci:20180911114733j:image

今となっては、ビー玉で栓をするガラス製の瓶は絶滅寸前で、 モノによっては骨董品、アンティークとして取引されているものまであるという。

ペットボトルになっても、ビー玉で栓しないと、 正式にはそれはサイダーなのだそうだ。

また、法律によりラムネは中小企業しか作れないため、大企業のものはサイダーとなる。

 

諸行無常を感じる話であるが…どうやらソーダ味やソーダ色のクロ (緑茶くらいに変な表現だ)である可能性は低そうだ。 彼が真犯人ならば、おそらく、ラムネ色、 ラムネ味という単語がメジャーになったはずだ。

 

余談だが(もっとも、私の話は全部余談だが)、ラムネ味のお菓子はあるが、 初めの頃はクエン酸重曹の粉を混ぜて、 口の中で溶けると炭酸のシュワシュワ感が出るようにしていたかららしい。


f:id:mucci:20180911122016j:image